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2016.11.19

お菓子がそこにある物語 vol.2【恋せよ☆アップルパイ】

想いを言葉にするってなかなかむずかしいこともありますよね(=´∀`)人(´∀`=)
とくに贈り物のケーキにつけるメッセージは男性は悩むひとも多いみたい。
今回はそんなメッセージと恋せよアップルパイにまつわる物語です☆


***************************************


ーーー自分で言うのもなんだが、ぼくは普通だ。



まだ慣れない満員電車に押し込まれながら僕は辛うじてスマホの画面をタップする。

『月曜日は何時になりそう?』

春に結婚したばかりの妻、ミチからメッセージが入る。可愛いうさぎのスタンプは小首をかしげていた。

生まれてこのかた、とくに褒められるような特技もない。
一応国立大出だけど、とくに有名な大学でもない。ごく普通に入学し、ごく普通に卒業。
そして、就職。すごい挑戦もしたこともない。

たぶんぼくの半生を小説にしたら、きっと3ページで終わるに違いない。


ミチからのメッセージに『たぶん8時くらいだよ』と返信して、
ぼくはツイッターのダイレクトメッセージを開いた。

つい先日、タイムラインで見かけた新潟のお菓子屋さん。
友人の奥さんが大好きでよく、このお菓子屋さんのケーキをお取り寄せしているらしい。

ハッピー、、は、なんだっけな、、

確認するとハッピーシュガー。
ウチコという人が作っているらしい。

正直ぼくはお菓子のことはよくわからない。
子供の時にたべた近くのケーキ屋のチーズケーキが最後の記憶だ。

『すっごくおいしそーーいいなあ』

ミチがツイッターの画面をのぞきこんでつぶやいたのは、つい昨日だった。




『恋せよアップルパイ』

ミチはアップルパイが大好きだ。

だけどシナモンが苦手なので食べれないことも多いという。

でもこの恋せよアップルパイは、どうやらシナモンが入ってないらしい。

遊びのような名前の付いたりんごのパイを妻はじっと見つめている。

そのとき、月曜に食べるのはこのケーキ。ぼくはそう決めたのだ。


ーーーこんばんは。はじめまして。
実はウチコさんのアップルパイを妻にたべさせたくてメッセージしました。

生まれてはじめてお菓子のお取り寄せをすることにした。

春に結婚したこと。
引っ越してまもないこと。
結婚記念日が月曜にあること。
そして、
妻を喜ばせたいとおもっていること。。

なぜかぼくはまるで身の上相談のように
書いてしまった。

返ってきたのは

ーーメッセージはどうしますか☆記念日なら大好きとか、愛してるとか、
だいたいそんなかんじです。

ぼくはぎょっとした。

『うそだろー。。』

いつから日本の男はそんなに積極的になったんだ。

ーーそんなこと書きます??

そんなぼくに

ーー喜ばせたい方は書く方が多いです☆

ああ、なんと。

何も言えなくなってしまう。

もうこの人には普通のことなんだろうか。。

きっとそうなんだろう。今までたくさんの人のメッセージをケーキに乗せてきたのだから。


うだうだしてるといつのまにか駅についていた。人をかき分けてやっとの思いで電車を降りる。

これから先、彼女を喜ばせることって何度あるだろう。

こんな普通のぼくに彼女を喜ばせれることなどあるだろうか。

それでもプロポーズしたとき、彼女は嬉しそうに笑ってたっけ。

もちろんぼくは、結婚してくださいと言っただけだったけど。。

喜ばせたかったら、、か。。


手の中の点滅した書きかけのメッセージ。

『よし、、』


ーーーメッセージは、いつもありがとう。大好きです。これからもよろしく。



書き終えてぼくは、勢いをつけて送信した。

知らぬ間におおきく息を吐く。

はあ、、緊張した。。

プロポーズしたときとおなじくらい、緊張した。。

だけどなんだかとてもいい気分。

改札をぬけるとたくさんの会社帰りだと思われる人たちが帰路を急いでいた。

見上げると細く下弦に光る月がでている。

こんな程度で四苦八苦するなんてやっぱりぼくは普通の男みたいだ。。


だけど。

そんなぼくでもできることは、あるはずだ。

月曜には恋せよアップルパイが届く。

きっとミチは驚くに違いない。

そう、ぼくの挑戦はいまから始まる。

いつも彼女を笑顔にすること。。


こころなしか少し胸を張って、ぼくはミチの待つ家に歩き出した。


end



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